
2021年2月16日~2021年3月15日締切分

【要注意】
以前にもこの欄に書きましたが、かつらぎ当月集以外へは、この新ウエブ句会入選句
を出すことは禁じます。私が選者をしている俳句大会はもちろんですが、
それ以外でも一旦「かつらぎホームページ」上で発表された句は、既発表句として取り扱われます。
俳人協会の各都道府県支部大会、行政の主催する大会、神社仏閣神事仏事などへの投句全てです。
かつらぎ主宰 森田純一郎
特選1
春愁やメール打ちかけては消して 広田祝世
現代の春愁の句として非常に共感できる一句です。一旦メールを送ろうと思って途中まで文章作成 を進めていて何かしら気が進まなくなり、消してしまうという経験は確かにあります。
特選2
料峭や十年経るも余震なほ 斎藤利明
2011年3月11日の東日本大震災から早くも10年が経過しましたが、つい最近もまた震度6強の 大きな余震が起こっています。料峭という堅い文字が早春の寒さと余震の恐ろしさを伝えます。
特選3
陽炎やいつしか消えし秘密基地 木村由希子
子供の頃、大人に内緒で遊んだ秘密の場所が今はもうなくなっていたのでしょうか。 儚さを感じさせる陽炎という季語を持って来たことにより、深みのある写生句となりました。
入選1
【33】とめどなく降るも積もらず春の雪 内田あさ子
春先に降る雪は降り続いても緩んだ気温に触れてすぐに融けてしまいます。出出しの五文字が良いです。
入選2
【41】亀石は凭れやすくて春惜む 村手圭子
明日香にある大きな亀石は確かに凭れ掛かりやすいです。中七のゆったりした調子が明日香らしいです。
入選3
【72】宍道湖の風に膨るる柳の芽 吉浦 増
宍道湖畔に吹く早春の風に柳の芽が芽吹く様子を膨るると描写し、他に一切言っていない事が良いです。
入選4
【93】詠まれたる家島見えず梅盛り 田島竹四
綾部山梅林の峠句碑「家島を梅の瑞枝のさまたげず」の句を元に逆のことを詠んだ老練な写生句です。
入選5
【97】麗かや移動パン屋に列の出来 糸賀千代
私は移動パン屋というとロバのパン屋を思いますが、今は色々あるそうです。春の麗かな陽気を感じます。