2018年11月11日~2018年12月10日締切分

特選1
席譲りくれたるは魔女ハロウィン  木村由希子

仮装して家々を回るハロウィンの行事も段々と日本に根付いてきたようですが、外国では見られない電車で移動するハロウィンの魔女を詠んだ句です。電車で座席を譲ってあげる可愛い魔女の様子とそれに対して御礼を言うお年寄りのやり取りが眼に浮かぶようなほのぼのとした句です。

特選2
炉話は狐狸妖怪と爺の恋   野村親信

狐狸妖怪とは、また恐ろしい言葉ですが、つまりキツネとタヌキなど人をだますものやばけものなどのことです。寒い北の民家で囲炉裏を囲みながら話をするお爺さんのことを詠んでいますが、この句にはもう一つお爺さんの昔の恋の話も混じっているというのです。これも炉話の一つなのでしょう。

特選3
特大の靴下を吊る聖樹かな   足立 恵

我が家でも子供達が幼い頃は真剣にサンタさんがクリスマスの夜に家に来ると信じていて、教子と一緒にプレゼントを部屋に置くのに苦労した覚えがあります。作者のお孫さん?は、きっと大きなプレゼントをお願いして特大サイズの靴下をクリスマスツリーに吊って眠りについたのでしょう。

入選1
【15】一気には語れぬ地震禍榾を足す   黒岩恵津子

入選2
【21】蒼穹の高さは知らず冬の蝶     小林恕水

入選3
【31】御用邸訪ひ得し年の暮れんとす   阪野雅晴

入選4
【85】凍蝶やさはれば羽の毀れさう    平田冬か

入選5
【133】播州の旅の終はりの月仰ぐ    迫田斗未子

【2】青畝星導かれたる聖夜ミサ      竹内万希子

【3】潮汐表のみ新しく鯊の宿       内田あさ子

【10】日の差せる方を上座に冬座敷     西岡たか代

【16】人混みの上に空ある暮の市      大久保佐貴玖

【25】吊橋の向かうの紅葉ことに濃し    平田冬か

【34】この檻も絶滅危惧種身に入みぬ(入めり) 中島 葵

【38】青畝句碑照らす冬の日やはらかし   迫田斗未子

【40】腕の子も末は寺守冬ぬくし      竹本正竜

【41】秩父路の小さな駅舎蒲団干す     古谷多賀子

【47】林檎捥ぐ記憶に父の肩車       村手圭子

【49】みちのくへ想ひめぐらす翁の忌    中野勝彦

【56】実南天空青ければ尚赤く       玉田ユリ子

【60】パソコンも凍りなかなか作動せず   阪野雅晴

【61】西郷どんの腹満開や菊人形      木村由希子

【67】青畝師は知らねど墓所へ落葉踏む   足立 恵

【78】人は人私は私木の葉髪        前田野生子

【83】古塚に小春の蝶の舞ひ(い)来たり  広田祝世

【88】探し物多くなりたる年暮るる     和田容子

【94】木の葉散り顕なりける塒かな     中野勝彦

【98】牡蠣すするモンサンミシェル遠眺め  小林恕水

【103】何ゆゑの長き停車か枯野駅      糸賀千代

【106】講釈師幕間を繋ぐ村芝居       平松文子

【124】また名字替はりし友の賀状かな    阿部由希子

【125】住み替はる青畝生家や冬椿      齋藤利明

【126】最下位の阪神へ檄年忘れ       田島もり

【130】独り居にサンタクロース来てほしき  和田容子

    次回も誌友の皆さんからの投句をお待ちしています。