2020年11月16日~2020年12月15日締切分



新ウエブ句会に参加されている皆様、今年1年間多くのご投句、互選への参加ありがとうございました。途中から「夏雲」という互選システムを取り入れて少し戸惑ったと思いますが、概ね順調に運営出来ていると思います。 さて、一点「かつらぎ」主宰としてご確認していただきたいことがあります。それは、「他の支部句会に出した句は新ウエブ句会には出せない」ということです。 「かつらぎ」の会員の方は、ご承知のことと思いますが、全ての支部句会(インターネット句会やズーム句会も含みます)に投句した句は、かつらぎ誌への投句(当月集、新芽集)には出せますが、他の支部句会には出せません。一度目にした句を再度選句するということになってしまうからです。俳句結社として常識的なマナーですが、改めて確認させていただきます。
  かつらぎ主宰 森田純一郎

特選1
波音は地球の鼓動冬銀河       斎藤利明

新年号の「かつらぎ」の表紙は、青を基調とする澄み切った清々しいイメージにしました。この句における「地球の鼓動冬銀河」という表現もコロナウイルス感染が終息した後の美しい世界を想像させると思い、令和2年を締め括る「新ウエブ句会」特選句として選びました。

特選2
「宇宙人としての生き方」読始    田島もり

松井孝典という人が2003年に岩波新書から出した書籍です。この本に書かれている「アストロバイオロジー」とはNASAの造語で「宇宙における生命の起源、進化、伝播および未来」を研究する学問です。読初にふさわしい本です。

特選3
手湯替ふる間も惜しむかに紙を漉く  平田冬か

紙漉の作業は、素早く行わないと一定の均等な厚さに漉きあがらないそうです。また、寒い時期にはタズという粘液に包まれた繊維が分散して品質の良い和紙になるそうです。紙漉作業の厳しさが分かります。

入選1
【28】リモートの御慶居ずまひ正しけり   清水洋子

ズームなどのリモートによる年賀の光景でしょう。今月のコロナ禍を詠んだ句としては、この句が一番良かったです。

入選2
【42】着膨れて自分の犬に吠え(へ)らるる 大久保佐貴玖

犬はいつもと違う服を着ると飼い主と分からず吠えます。我が家での私自身の経験から実感ある句です。

入選3
【112】枯木立水平線を刺しにけり     田島かよ

このような景色を見て直叙した句でしょう。刺しにけりという表現が寒々しさを強調しています。

入選4
【114】大鍋におでん煮込むも旅支度    平松文子

主婦は旅行に出掛ける前におでんを大鍋に煮込んで行くのでしょう。12/7に急逝された作者のご冥福を祈ります。

入選5
【136】どうにでもせよと鮟鱇吊られたる  糸賀千代

鮟鱇を詠んだ句は多いですが、どうにでもせよと鮟鱇が居直っているように詠んだ主観的な表現が面白いです。

以下、次点句です、添削したものもあります

【1】再起動かけて寝転ぶ師走かな    内田二歩

【8】紅灯の早店閉むる夜寒かな     竹内万希子

【9】居酒屋を出で(て)神農の虎別れ  田島竹四

【13】百選の流れに洗ふ冬菜かな     古谷多賀子

【16】画架立つるモンマルトルの冬帽子  小林恕水

【22】寒禽の声胞衣塚を守るごとし    鳥居範子

【24】体内へ蓄積したきこの冬日     阪野雅晴

【32】気つ風よき女将寒紅明らけし    竹内万希子

【35】弁舌は流るるごとし木の葉髪    稲垣美知子

【38】烏鷺の争ひは煤逃同士かな
       (--争ひをるは---なり)  山崎圭子

【41】神岩を讃ふる(が)ごとく照紅葉  武田順子

【53】湯豆腐や今日も進展ないままに   小西俊主

【56】賀状書く超悪筆は父ゆづり     糸賀千代

【57】磔刑の(像)ごときに立つる枯木かな 大久保佐貴玖

【59】雪しまきいつ再開の滑走路     敷島鐵嶺

【66】しぐるるや島の古町坂多く     平松文子

【67】稲穂波揺らし一輌電車往く     内田あさ子

【74】何処かに銀河鉄道冬銀河      西岡たか代

【77】錆びをれど糠新しき猪の罠     平田冬か

【84】次は俺かもと黙祷隙間風(--長し--) 田島竹四

【91】決断の重き歩みや冬田道       小西俊主

【95】訃報あり投句メールに身にぞ入む   森田教子

【97】疫癘のを(お)さまり見えず秋の闇  内田あさ子

【100】能楽堂すぐそこにして笹鳴ける   山崎圭子

【102】それとなく誇れる師系青畝の忌   前田秀峰

【104】心まで着膨れコロナ籠りかな    村手圭子

【107】三代の御代を過ごせし木の葉髪   長谷阪節子

【109】一鋤に陽を練り込みて冬耕す    大久保佐貴玖

【123】キリストに似る写真ありレノンの忌 木村由希子

【127】黄落のベンチは恋の二人かな    稲垣美知子

【129】すが洩りの天井画めく大広間    野村親信

【134】縮かんで縮かんで冬薔薇(冬の薔薇)かな 小林久美子

【139】海鳴りの如き遠吠薬喰       高橋宣子

【141】一人寝の蒲団に部屋の広すぎる   宮原昭子

【143】饒舌と寡黙の集ふ夜番小屋     阪野雅晴