2026年1月16日~2026年2月15日締切分

森田 純一郎選(新ウェブ句会より)

特選 三句

  • 42

    不意打ちを食らひし如く寒戻る

    吉浦 増

  • 54

    うすらひの端つこ水面抑へをり

    村手圭子

  • 106

    短日やまた確かむるパスポート

    高橋宣子

秀逸 五句

  • 5

    初午の狛狐稲穂を咥へをり

    西岡たか代

  • 34

    同じ場所同じ時刻に寒鴉 

    近藤八重子

  • 51

    ジュラ紀には熱帯てふ地雪解水

    吉川やよい

  • 58

    野を焼いていくさ跡めく焦土かな

    清水洋子

  • 103

    反核のための一票雪の中

    たなかしらほ

特選 三句

  • 特選1

    不意打ちを食らひし如く寒戻る

    吉浦 増

    一旦暖かくなってから急に寒さがぶり返すと体がついて行かず、驚かされることがあります。作者の住む山陰は冬が厳しいので、より実感することでしょう。不意を食うという形容に感心しました

  • 特選2

    うすらひの端つこ水面抑へをり

    村手圭子

    非常に細かいところを見て作られた写生句です。水面に浮かぶ薄氷を見て、その重さによって水面が抑えられていると感じたのでしょう。「端っこ」という言葉が浮かんだことが手柄です

  • 特選3

    短日やまた確かむるパスポート

    高橋宣子

    段々と日が短くなって来ると必要以上に気が焦るようになるものです。海外旅行中にも夕暮れが早くなると、パスポートをちゃんと入れているか鞄の中を確かめるのでしょう。

秀逸 五句

  • 秀逸1
    【5】

    初午の狛狐稲穂を咥へをり

    西岡たか代

    二月最初の午の日に狛狐が迎えてくれる稲荷社で行われる五穀豊穣を祈る初午を詠んだ句です

  • 秀逸2
    【34】

    同じ場所同じ時刻に寒鴉 

    近藤八重子

    食物の乏しくなる冬に人家に近づく寒鴉をいつも同じ時、場所で見掛けることを詠んだ玄人受けする句です

  • 秀逸3
    【51】

    ジュラ紀には熱帯てふ地雪解水

    吉川やよい

    ジュラ紀には熱帯だった地に今は雪解水が流れているというのです。新ウエブ句会らしい冒険句です

  • 秀逸4
    【58】

    野を焼いていくさ跡めく焦土かな

    清水洋子

    野焼き跡の黒くなった土、つまり焦土をいくさ跡と大胆に形容した句です。南紀らしい広大さが分かります

  • 秀逸5
    【103】

    反核のための一票雪の中

    たなかしらほ

    反核を願って一票を投じたのでしょう。政治的なことを詠むのは難しいですが、季語が救っています

入選

入 選 句

  • 【3】

    梅ひらく杜の要に青畝句碑 

    阿部由希子

  • 【14】

    料峭の林泉一望の出会橋

    壁谷幸昌

  • 【16】

    立春の湖心に浮かぶ白帆かな

    たなかしらほ

  • 【17】

    流れゆく雛金襴の帯のごと

    小林恕水

  • 【22】

    徳川園大奥思ふ冬牡丹 

    平田冬か

  • 【26】

    のどけしやトランペットの音合はせ

    荻野隆子

  • 【39】

    卵塔に帽子の如き雪積り

    井野裕美

  • 【40】

    カッターの刃先も納め針供養
    (・・・・・・・・む・・・)

    前川 勝

  • 【47】

    旅日永ハブ空港に祈祷漏る
    (・・祈祷漏れくるハブ空港)

    高橋宣子

  • 【60】

    やはらかき線にて描く寝釈迦かな

    村手圭子

  • 【66】

    自転しつスノーボードは宙返り
    (スノーボード自転しながら・・・)

    山崎圭子

  • 【70】

    曇天に華やぐ火色雛供養

    小林恕水

  • 【77】

    病む母も泡盛少し避寒宿

    木村由希子

  • 【78】

    涅槃図に見守られゐる写経かな 

    古谷多賀子

  • 【87】

    拳ちよと緩めしまゝや寒牡丹

    中島 葵

  • 【88】

    シルバーを気遣ふ俳誌あたたかし

    黒岩恵津子

  • 【94】

    残雪にティラノサウルス福井駅

    吉川やよい

  • 【98】

    ふんはりと置かれしごとく松の雪

    西岡たか代

  • 【107】

    地鎮祭揺らめく紙垂に風光る

    糸賀千代

  • 【108】

    水温む一尾動けば次々と

    中島 葵

入選

佳 作 句

  • 【19】

    献上の紙とや栃の板に干す

    古谷彰宏

  • 【20】

    歩道までとばしる猪のぬたばかな

    安田純子

  • 【27】

    炉塞ぎて吾が定位置の定まらず

    大久保佐貴玖

  • 【32】

    地雷など無き我が国土青き踏む

    黒岩恵津子

  • 【76】

    探梅の行き着く先や二月堂

    斎藤利明

  • 【85】

    音の無き夜の明けにけり今朝の雪

    西本陽子

  • 【97】

    口笛に追ひ抜かれたる春来る
    (・が・い越して行き・・・)

    中内ひろこ


純一郎吟