2025年11月16日~2025年12月15日締切分

森田 純一郎選(新ウェブ句会より)

特選 三句

  • 55

    馬券買ふ列の果てなる聖樹かな 

    森田教子

  • 90

    寒鴉真田の墓地を離れざる

    田島かよ

  • 28

    しばらくは綿虫の後付き行けり

    吉川やよい

秀逸 五句

  • 33

    青畝忌の奈良は吟行日和かな

    稲垣美知子

  • 46

    七福神みな載せてゐる熊手かな

    木村由希子

  • 59

    クリスマスツリーに鶴を折りにけり

    たなかしらほ

  • 64

    御仏の顔には触れず煤箒  

    斎藤利明

  • 85

    羊飼ゐさうな村のクリスマス 

    大久保佐貴玖

特選 三句

  • 特選1

    馬券買ふ列の果てなる聖樹かな 

    森田教子

    競馬の馬券売り場に長く続く列の奥の方にクリスマスツリーが飾られていたのだろう。神聖な聖樹に対して、俗な馬券という言葉を斡旋したことによる諧謔が感じられる句だ

  • 特選2

    寒鴉真田の墓地を離れざる

    田島かよ

    大阪玉造の真田山陸軍墓地は広く寂しいところだ。冬の鴉たちがそこで群れていたのだろう。鴉は餌を探していたのだろうが、何かしら寂寥感の伝わってくる句となっている

  • 特選3

    しばらくは綿虫の後付き行けり

    吉川やよい

    初冬の空中をゆるやかに浮遊する綿虫を見ていると儚い気持ちにさせられる。作者は何となく綿虫のあとを追って歩いたのだろう。客観的に詠んでいて寂しさを感じさせる句だ

秀逸 五句

  • 秀逸1
    【33】

    青畝忌の奈良は吟行日和かな

    稲垣美知子

    青畝晴れという日だったのだろう。不要なことを言わずに喜びを伝えている

  • 秀逸2
    【46】

    七福神みな載せてゐる熊手かな

    木村由希子

    確かにこのような熊手が売られていたのだろう。中七のぶっきら棒さが良い

  • 秀逸3
    【59】

    クリスマスツリーに鶴を折りにけり

    たなかしらほ

    西洋的な聖樹と日本的な鶴の対比が意外性を感じさせる

  • 秀逸4
    【64】

    御仏の顔には触れず煤箒  

    斎藤利明

    お寺の若い僧たちは仏様の御顔には触らないよう注意して煤払いをするのだろう

  • 秀逸5
    【85】

    羊飼ゐさうな村のクリスマス 

    大久保佐貴玖

    過疎の寒村のクリスマスの様子を思う

入選

入 選 句

  • 【1】

    哭くごとき曲に滑らかスケーター 

    西本陽子

  • 【7】

    冬日燦羅漢の森を出でたれば

    武田順子

  • 【11】

    艫に積む荷は軽さうや竹瓮舟

    古谷彰宏

  • 【24】

    待降節商店街に厩建つ

    荻野隆子

  • 【25】

    施設より義母を預かる年の暮 

    たなかしらほ

  • 【26】

    男らの囲む大鍋薬喰ひ 

    宮原昭子

  • 【32】

    雪蛍飛ぶジョンレノン撃たれた日 

    近藤八重子

  • 【38】

    雪吊の天辺鴉睥睨す

    鳥居範子

  • 【39】

    冬日和宇治橋に水匂ひけり

    阿部由希子

  • 【40】

    聖堂の磔像見上げ年惜む

    田島かよ

  • 【43】

    マヌカンの着替へ忙しく聖夜明く 

    斎藤利明

  • 【49】

    丸まりて流さるるまま浮寝鳥

    鳥居範子

  • 【52】

    小夜時雨ベンチ黒々濡らしをり

    中内ひろこ

  • 【60】

    キャンパスの聖厩巡りクリスマス

    壁谷幸昌

  • 【67】

    人の住めさうな馬小屋聖夜待つ

    平田冬か

  • 【71】

    待降節もう馬小屋の出来てゐる 

    平田冬か

  • 【75】

    コンビニでニット帽買ふ寒さかな

    栗原栄一

  • 【100】

    針山に手合はせ私の針供養 

    中内ひろこ

  • 【102】

    斑鳩の三塔見遣る冬菜畑 

    村手圭子

  • 【109】

    花鳥諷詠に明け暮れ年暮るる

    吉浦増

入選

佳 作 句

  • 【12】

    着膨れのままに磔像拝しけり

    山崎圭子

  • 【19】

    礼拝堂聖書繰る手のかじかまず

    壁谷幸昌

  • 【22】

    鞍馬路の旅の締めとす牡丹鍋

    高橋宣子

  • 【29】

    極月の鈴の緒ほつる古刹かな

    田島かよ

  • 【51】

    萩は萩葦は葦とし枯れ急ぐ
    (・・・・・枯れ急ぎけり) 

    村手圭子

  • 【79】

    来し方に行く末足すや老の春
    (・・・・・・しておらが春)

    西本陽子

  • 【81】

    枯れてなほ芒は長し青畝の忌

    たなかしらほ

  • 【89】

    太陽のぬくもり吸へる落葉かな

    大久保佐貴玖

  • 【102】

    マフラーを贈つた人と共にゐる
    (・・・や贈りし人と共にゐて) 

    荻野隆子

  • 【104】

    畳の間ある聖堂やクリスマス

    宮原昭子


純一郎吟

  • 【37】

    大神の摂社に残る淑気かな

  • 【50】

    神火待つ繞道に暮早きかな

  • 【95】

    御降やおんぱらさんの鎮もれる