毎月月末締切のインターネット句会の選句結果を発表する頁です。

かつらぎ副主宰の平田冬か先生、村手圭子先生のお二人の交代で
選句をして頂きます。

特選3句、入選5句、次点句も加えて、毎月15日を目処に発表します。

俳句は初めての方、まだ結社に属しておられない方も、かつらぎの写生句
(心にひびく写生)に触れて頂けましたら幸いです。

2018年8月1日~2018年8月31日締切分


= 平田冬か 選 =

特選3句

【129】瞑想のさ中とも見え蟇   黒岩恵津子

山中で蟇に出合ったことがある。どっかりと蹲りめったなことでは 動じない感じだった。目を閉じて金輪際動かないその落ち着きは、 この句の様に瞑想の最中だったのかも知れない。

【093】退院の娘に向日葵をどかと活け   平松文子

病を得て入院していた娘がやっと退院することになった。 向日葵をたくさん活けて退院の娘を迎えた母。 向日葵は娘の好きな花でもあり、元気を貰える花でもある。

【015】風鈴も秋の音色のきのふけふ   田島もり

飯田蛇笏の「くろがねの秋の風鈴鳴りにけり」をふと思ったがそれとはまた違う。 軒に吊るしっぱなしの風鈴を毎日聞くとなしに聞いているのだが、 秋の初め、何とはなしに風鈴の音色が違うと感じた作者。それを「秋の音色」と詠んだ。

入選5句

【026】大物の魚拓掲げて簗の茶屋   壁谷幸昌

簗茶屋の主の晴れがましい顔が見えそうだ。 簗の幸は鮎ばかりではないかも知れないがたぶん下り鮎と思う。 さてどれほどの鮎の大物だろうかとみて見たくなる。

【144】夕顔や昨日と同じ今日終はる(添削あり)  近藤八重子

「終わる」を「終はる」となおした。自分の今日一日が終わる頃に 咲き出す夕顔を見ながら、昨日もこんな風に一日を終えたなあとしみじみ思っているのだ。 平凡な暮らしをよしとしている様にも思えるが、そうでないのかも知れない。

【186】影と言ふ個室に入る砂日傘   前川 勝

砂日傘の影から外れたところは自分の領地でないような気がした経験がある。 砂日傘の影を個室と捉えたところに共感した。 履物は個室の外に脱いで入るのかも知れない。

【178】牛方の宿の大きな夏炉かな   篠原かつら

牛の背に背負わせ塩を運ぶ牛方の止まる宿が千国街道に残っている。 牛連れで泊まる牛方たちが囲んだであろう大きな夏炉が今でも宿に残っていて旅人を迎えてくれる。

【112】絞られし水滔々と簗簀梳く   山崎圭子

広い川の流れを簗口に絞り込むので水の勢いが増す。 その勢いを増した水が竹で編んだ簗簀を梳くように流れ込むのである。


その他好きな句です。

【009】唯一の師よりの手紙虫干しす     広田祝世

【019】梅雨滂沱小夜の中山夜泣き石     新實香代子

【020】大鯉を抱くは法主放生会       小林恕水

【045】月清し従者の如く火星添ひ      田島竹四

【063】アンタレス赤く宵闇深まりぬ     長谷阪節子

【128】風までも匂ふ夜道や稲の花      後藤允孝



(次回9月31日締切分は、10月中旬に村手圭子選として発表します。)