毎月月末締切のインターネット句会の選句結果を発表する頁です。

かつらぎ副主宰の平田冬か先生、村手圭子先生のお二人の交代で
選句をして頂きます。

特選3句、入選5句、次点句も加えて、毎月15日を目処に発表します。

俳句は初めての方、まだ結社に属しておられない方も、かつらぎの写生句
(心にひびく写生)に触れて頂けましたら幸いです。

2019年3月1日~2019年3月31日締切分


= 村手 圭子 選 =

特選3句

【087】鍬杖に見遣る野良人鶴引きぬ     平田 冬か

秋に渡ってきた鶴たちをずっと見守ってきた野良人。ああ、も う鶴たちは帰ってしまうのかと、鍬に身を任せて引いていく鶴 を見遣っている。さみしげな野良人の景。

【111】末黒野を見下ろす高み開拓碑     篠原 かつら

広い荒野を開拓したことを記す碑が立っている。末黒野を見下ろす高みであるという。「高み」の一語が広さを感じさせる。 いまは末黒野であるが、まもなく草が萌え出す広々とした牧草地になりそうだ。未来のある季語「末黒野」である。

【136】舟廻り爛漫の花まはるかな      阪野 雅晴

爛漫の花に囲まれた湾だろうか。小さな舟が入江の中で方向 を変える。爛漫の花を回したような気分なのだろう。錯覚 かもしれないがそれも良い。

入選5句

【041】下萌ゆる牧に子牛の鈴の音      中野 勝彦

牧場が下萌えるころ子牛が外に出て歩き出した。首に つけてもらった鈴が可愛い。

【050】げんげ田に戴冠ごっこせし日あり   山崎 圭子

一面のれんげの野。れんげの花で冠を作る。「戴冠ごっこ」 という大袈裟な言葉が楽しい。小さい頃は誰でも女王さまに なれた。

【066】美術館私邸の頃の雛飾る       広田 祝世

美術館に雛が飾られてい る。この美術館はかってどなたかの私邸であったという。さぞすばらしいお雛様だろう。

【077】早瀬ゆく舟を掠めて初燕       太田 明

スピード感満点の句。早瀬を滑る舟。それを掠める初燕。燕の 素早さが想像できる。

【135】春光を揺らす硝子のイヤリング    龍野 ひろし

春光が揺れるのではなく、春光を揺らすという表現が積極的な人物を想像させる。「春光の揺るる」とどちらが良いだろうか?むずかしい。


他にも好きな句がたくさんありました。

【004】有耶無耶の蚯蚓書きなり目借時(添削あり) 壁谷 幸昌

【010】背なに子を負へるバッタも涅槃変      平田 冬か

【054】友禅の几帳も雛の調度かな         平松 文子

【061】北窓を開けて比叡を引き寄せり       竹本 正竜

【067】背中まで泥を跳ね揚げ入学児        角山 隆英

【069】日を浴びて堅香子の花反りに反る      山崎 圭子

【070】灯のともる銀座の路地や猫の恋       龍野 ひろし

【075】知らぬ間に鴨帰りけん鏡凪         田島 竹四

【080】信濃路の白き山河へ初燕          日根 美恵

【103】慟哭の衆生に涅槃し給へり         馬越 久

【128】巣立鳥風に躓き転げけり          中島 正幸

【138】菜の花に虻数多来て蝶は未だ        壁谷 幸昌

【139】白魚のきらめく寸の命かな         福田 公仁子



(次回4月30日締切分は、5月中旬に平田冬か選として発表します。)