毎月月末締切のインターネット句会の選句結果を発表する頁です。

かつらぎ副主宰の平田冬か先生、村手圭子先生のお二人の交代で
選句をして頂きます。

特選3句、入選5句、次点句も加えて、毎月15日を目処に発表します。

俳句は初めての方、まだ結社に属しておられない方も、かつらぎの写生句
(心にひびく写生)に触れて頂けましたら幸いです。

2018年10月1日~2018年10月31日締切分


= 平田冬か 選 =

特選3句

【003】一服の間も松談義松手入   糸賀 千代

松手入れの休憩の一服の間もあれこれ松の話題から離れない。そんな職人気質の庭師の仕事ぶりが想像される。

【015】故里に我は過客や都鳥   篠原 かつら

業平が東下りの途次「名にし負はばいざ言問はん・・・」と詠んだあの都鳥である。自分の故郷(東京)へ今はもう過客として訪ねるのみになってしまった作者の思いを都鳥にたくしたのだ。

【107】ここだけの話の弾む日向ぼこ   清水 洋子

いい話ならここだけと断ることもない。ご近所さんとか仲間うちの噂話に花を咲かせての日向ぼこ。これ以上皮肉ると川柳の領域になる。

入選5句

【099】日向へと又も引き摺る豆筵   村手 圭子

太陽の動きを追いかけて大豆を干している筵を移動させているのだ。「又も」で何度も引きずっていることが想像される。

【078】実柘榴の歯向かふごとく弾けけり  斎藤 利明

赤い口をガッと開けて割れている柘榴。「歯向かうごとく」といわれるとそんな気もする。

【028】秋風や二面石撫で存問す   田島 もり

膳と悪の二面石を前に自分の心を顧みている作者。二面石の膳の面と悪の面をこもごも撫でては存問しているのである。

【011】教え子の急な退学夏の果て   冨士原 博美

夏の間に教え子に何かが起こった事を暗示させる。夏休み中によからぬ仲間が出来たのかも知れない。私も教師のころは夏休み明けが心配だった。

【027】くたかけの鳴きて夜神楽果てにけり  小林 恕水

くだかけ即ちニワトリが鳴いて夜明けを告げる。そんな頃まで夜神楽がえんえんと続けられていたのだ。


その他の好きな句。

【061】鵜供養の短冊流し鵜飼果つ       篠原 かつら

【085】蹄にも油の手入れ馬肥ゆる       平松 文子

【102】穂孕みの重さを掌にし水落す      中島 幸子

【094】断捨離の終活めける冬支度       馬越 久

【106】杣小屋の軒に吊られし猪の皮      山下 みつぐ

【111】ロープウェイ降り立つ駅の紅葉冷    山崎 圭子

【112】磯菊や駿河の海に白帆増ゆ       長谷阪 節子

【130】俗塵に遠き山峡紙を漉く        黒岩 恵津子

【139】寝墓みな異国の修士鳥帰る       安藤 悠木

【153】本当に猫のじゃれつく猫じゃらし    平松 文子

【159】芒原入りて方向見失ふ         中島 幸子



(次回11月30日締切分は、12月中旬に村手圭子選として発表します。)