毎月月末締切のインターネット句会の選句結果を発表する頁です。

かつらぎ副主宰の平田冬か先生、村手圭子先生のお二人の交代で
選句をして頂きます。

特選3句、入選5句、次点句も加えて、毎月15日を目処に発表します。

俳句は初めての方、まだ結社に属しておられない方も、かつらぎの写生句
(心にひびく写生)に触れて頂けましたら幸いです。

2018年5月1日~2018年5月31日締切分


= 村手 圭子選 =

特選3句

【068】夕日呑む海の静けさハンモック   田島 もり

海は夕日を呑んでしまった。日が沈んでしまった余韻。
そんな静かな砂浜にハンモックを揺らせている人がある。

【099】鯉幟降ろされ大き息を吐く   塚本 敏代

風を一杯に孕んで泳いでいた鯉幟。夕方になると降ろされ畳まれる。
大きな息を吐くという擬人化した表現が面白い。
一日が終って鯉幟もほっとしたのだろうか。

【136】葱坊主我が我がと背を伸ばす   山崎 圭子

葱が坊主になりつつ伸びてゆく様子。これも擬人化して詠まれている。「我が我がと」。
確かにそんな感じがする。

入選5句

【024】業平忌我がときめきの遠くなり   足立 恵

在原業平。平安時代の歌人。三十六歌仙の一人。情熱的な歌風で恋多き人らしい。
一方私はもう恋というときめきから遠くなりましたよと詠まれる。

【028】青田風田圃一枚づつ渡る   後藤 允孝

畦道で少し風は止まるのかもしれない。一気に風が吹き渡るのではなく、
田を一枚ずつ風が動くという独自の見方が新らしい。

【037】汐まねき汐はますます引くばかり   平田 冬か

汐まねきは大きな鋏で何かを招くような所作をする。面白い貝だ。
引く汐を招いているのだろうが、 汐はひくばかりだというつぶやきのような句。

【153】この藪の一の太さぞ今年竹   山本 ヒロ子

今年竹はひょろひょろの細いものだというイメージを持っていた。実際はすでに
薮一の太さのたくましいものがある。

【177】吾の町と汝の町つなぐ虹の足   小林 恕水

虹がかかりました。まるであなたの町と私の町をつないでいるようです。
ロマンチックな一句。


まだまだ好きな句がたくさんありました。

【002】カルデラに青き波立つ夏野かな    加島 一善

【006】一本締め合図に担ぐ神輿かな     古谷 彰宏

【007】烏帽子紐きりりと結び祭稚児     山下 えつこ

【014】遠かりし日の事なはしろ茱萸ふふみ  近藤 八重子

【021】花冷えや襖ばかりの長廊下      日根 美恵

【022】郭公に森と湖あるばかり       小林 恕水

【023】監督の視線を隠すサングラス     阪野 雅晴

【035】山門に手ぐすね引いて蟻地獄     本多 亢子

【039】白似合ふ君の未来や更衣       吉川 やよい

【040】終ひ湯を流してをれば青葉木菟    篠原 かつら

【044】正直を通すは難し峠の忌       山本 ヒロ子

【067】木道の左右等分の水芭蕉       広田 祝世

【069】落し文長句短句のありぬべし     糸賀 千代

【077】お花畑童話の少女出て来さう     小林 恕水

【079】くつきりと山沈めたる植田かな    西尾 青雨

【083】鮎ならずさくらうぐゐの渦を巻く   迫田 斗未子

【085】羽繕ふそばから抜けて羽抜鶏     山本 ヒロ子

【086】雲厚し声のみ響く揚雲雀       鳥居 範子

【087】餌やりは電光石火親燕        篠原 かつら

【089】音楽に乗りて噴水律動す       たなかしらほ

【095】皆が皆餌持つかしら蟻の列      黒岩 恵津子

【102】見た目ほど心地よくなしハンモック  中島 葵

【114】青葉風光り煌めくカフェテラス    馬越 久

【122】出航を祝ふ風船とばしけり      平松 文子

【125】青楓透けるテラスやティータイム   冨士原 博美

【139】八橋に風の道ある菖蒲かな(添削)  山下 えつこ

【145】踊子草手拍子揃ひ打つところ     平田 冬か

【146】炮烙の身投げに沸くや壬生狂言    武田 順子

【152】海原をイルカ大きく跳ねて夏     龍野 ひろし

【154】コルセットちよと外したき薄暑かな  本多 亢子

【167】闇夜にも白々茅花波を打つ      中島 葵

【173】岩起こし何を捜せる磯遊       広田 祝世

【174】群行の道今茅花流しかな       山崎 圭子

【175】渓を模す流れ脚下に緑摘む      長谷阪 節子

【180】合言葉交はし行きかふ蟻と蟻     平田 冬か

【181】歳時記のような人ゐて花野ゆく    近藤 八重子

【185】出産の近き鹿苑青葉風(添削)    山口 久実

【188】首洗ひ池と伝はり未草        平松 文子

【203】泰山木花のこぼせり昨夜の雨     新實 香代子

【204】大王松その名諾ふ松の芯       壁谷 幸昌

【211】富士みよとモーニングコール明早し  黒岩 恵津子


(次回6月30日締切分は、7月中旬に平田冬か選として発表します。)