2026年7月16日~2026年8月15日締切分

森田 純一郎選(新ウェブ句会より)

特選 三句

  • 79

    夕端居今日といふ日も過去となる

    前田野生子

  • 50

    御敷地の均しく潤ふ緑雨かな

    武田順子

  • 54

    洗ひ伏す百の硯や写経場

    平田冬か

秀逸 五句

  • 3

    舌出して喜ぶ馬を洗ひけり

    古谷多賀子

  • 81

    真つ新な茣蓙に盆棚組上がる

    古谷彰宏

  • 101

    八朔の巽橋にて舞妓待つ

    たなかしらほ

  • 106

    披講まで少し間のあり麦茶飲む

    清水洋子

  • 114

    生駒山一気に越えて夕立来る 

    西岡たか代

特選 三句

  • 特選1

    夕端居今日といふ日も過去となる

    前田野生子

    「俳句は発表された瞬間に過去のものとなる」と富岡桐人さんが言っていたそうだが、今日一日がすでに過去になると夕端居で思った作者の寂寥感が伝わる新しい句だと思う。

  • 特選2

    御敷地の均しく潤ふ緑雨かな

    武田順子

    伊勢神宮の20年に一度の遷宮で、新しい社殿の立つ場所である新御敷地を夏の雨、つまり緑雨が潤していたのだろう。神聖な地を均しく潤すと感じた感動が伝わる。

  • 特選3

    洗ひ伏す百の硯や写経場

    平田冬か

    写経する道場での光景だろう。七夕前日に普段使う硯を洗うという初秋の季語だが、百の硯を洗ひ伏すという表現に硯を大切に扱う気持ちが伝わって来る。 

秀逸 五句

  • 秀逸1
    【3】

    舌出して喜ぶ馬を洗ひけり

    古谷多賀子

     「馬洗ふ」は厳密には農耕用の馬に使うが、今は乗馬用の馬に使っても問題はないと考える。この猛 暑では洗われて馬もさぞかし嬉しいことだろう。

  • 秀逸2
    【81】

    真つ新な茣蓙に盆棚組上がる

    古谷彰宏

    初盆だろうか。亡くなった方の魂をお迎えする精霊棚を新しい茣蓙を用いて飾ったのだろう。

  • 秀逸3
    【101】

    八朔の巽橋にて舞妓待つ

    たなかしらほ

    京都・祇園の白川に掛かる小さな石畳の巽橋で8月1日の八朔の挨拶に回る舞妓を待ったのだろう。

  • 秀逸4
    【106】

    披講まで少し間のあり麦茶飲む

    清水洋子

    はっきりと大きな声で披講するために麦茶を飲んだのだろう。作者と作中人物が明確な句だ。

  • 秀逸5
    【114】

    生駒山一気に越えて夕立来る 

    西岡たか代

    不要なことを一切言わずに「夕立来る」と言い切ったことにより、見事に情景の伝わる句だ。

入選

入 選 句

  • 【1】

    今炎揺らぎしは誰門火焚く

    山崎圭子

  • 【9】

    朝涼しどれも濡れをる市のもの 

    大久保佐貴玖

  • 【23】

    冷やしたる茶粥に暑気を払ひけり

    清水洋子

  • 【32】

    立秋や干し物のよくはためける 

    森田教子

  • 【37】

    測候所いまは無人の花野かな

    古谷多賀子

  • 【46】

    なんばシティなんばパークス水を打つ

    荻野隆子

  • 【48】

    わだつみの潮に馬を冷やしけり 

    武田順子

  • 【51】

    崩れ初む土塀に零れ百日紅

    荻野隆子

  • 【62】

    大暑にも街頭募金声嗄らす

    たなかしらほ

  • 【63】

    新涼や峠俳話を繙かん

    清水洋子

  • 【76】

    軸の絵はしぶく大滝夏座敷 

    壁谷幸昌

  • 【84】

    伊予灘を眼下のホーム大西日

    斎藤利明

  • 【95】

    寝袋で語る銀河の物語

    西岡たか代

  • 【102】

    十字架の白き流配碑晩夏光

    斎藤利明

  • 【110】

    放牧の丘の向かうに雲の峰
    (・・・・・・ふ・・・・)

    栗原栄一

  • 【111】

    誰彼を迎ふる門火一人焚く

    山崎圭子

入選

佳 作 句

  • 【2】

    白鳥の何処目指すや原爆忌

    中内ひろこ

  • 【16】

    合歓の花万葉園を明るうす

    角山隆英

  • 【22】

    五十年変へぬ髪型更衣
    (・・・え・・・・・)

    近藤八重子

  • 【27】

    片蔭に添ひて向かふは句会場
    (・・寄り添ひ向かふ・・・)

    吉浦 増

  • 【33】

    この写真遺影にと言ふ生身魂

    村手圭子

  • 【35】

    草木も息ひそめゐる炎天下

    宮原昭子

  • 【42】

    住宅地真中に並ぶ墓洗ふ
    (・・如・・・洗ひけり)

    井野裕美

  • 【44】

    帰省子の踊る阿呆となりにけり

    月森こはぎ

  • 【61】

    遺言のやうに証言終戦忌

    吉川やよい

  • 【65】

    やはらかき風は山から蓮の花

    岩見三七夫

  • 【87】

    大花火果てし神山黒々と

    村手圭子

  • 【88】

    道の駅巡る安曇野避暑の旅

    高橋宣子

  • 【93】

    線香花火終はりとみせて又続く
    (・・・・わ・・・・・・・) 

    峰村ひさ子

  • 【107】

    浜に吊りあるは魚網のハンモック
    (・・る・・・・材の・・・・・)

    安田純子


純一郎吟

  • 【6】

    睡蓮を二三浮かべて池平ら

  • 【57】

    かすかなる風に鷺草倒れさう

  • 【116】

    どう見てもエーデルワイス汝は地味