2017年4月1日~2017年4月30日締切分

特選1
どんと出る皿鉢料理や夏祭 西本陽子

種々の魚介、野菜などを大皿に盛り分けてめいめいが取り分ける料理を皿鉢料理という。土佐の名物だそうだが、いかにも豪快な感じがして夏祭の雰囲気が伝わる。

特選2
庇まで薪積み鵜飼開き待つ 篠原かつら

鵜篝に使う薪を鵜匠小屋の庇に届くほど積み上げて鵜飼開きを待っているのだろう。鵜飼に対する真摯な気持ちが伝わって来るような句だ。

特選3
防風摘む浜の続きに御用邸 平田冬か

沼津の御用邸のことだと思う。防風摘みの出来るような広々とした砂浜に続く御用邸とはきっと素晴らしいものなのであろう。

入選1
ハイカラな神戸に似合ふ館涼し 小林久美子

異人館のことだと想像する。ハイカラなというバタ臭いカタカナ表現が神戸らしさをうまく表現している。

入選2
ダリの絵に似て隆隆と楠若葉 壁谷幸昌

サルバドール・ダリ独特の骨太のタッチで描かれた絵を思うような楠若葉だったのだろう。

入選3
これ以上丸くはなれぬ葱坊主 竹本寂香

葱坊主の丸い花房をうまく詠んでいる。不要なことは一切言わなかったことが潔い。

入選4
強く濃く子の名を書ける鯉幟 小林恕水

鯉幟に子の名を書いたのだろうか。男の子の生れた喜びを表しているようだ。

入選5
神々の恋より説きて懸想文 朝雄紅青子

相手に対する恋心を和歌にしたためた懸想文がまず神々の恋から説いているというの だ。わくわくするようなロマンチックな句である。

次に次点句を列記します。添削したものもあります。

【001】濹東の路地に迷ふや荷風の忌 野村親信(添削句)

【003】炬火待てる数多の傘や山開 古谷彰宏

【032】新緑にいよよ映えたり朱の鳥居 浅野照子

【048】口遊む雨情の詩碑に囀れる 壁谷幸昌

【079】老いてなほ変身願望サングラス 竹内万希子

【083】名札まだ隅に積むまま菖蒲の芽 安藤悠木

【084】名の程に淡墨桜淡からず 広田祝世

【087】芭蕉曾良置く箱庭の松島に 木村由希子

【101】心中の文楽座前花散れる 吉川やよい

【112】時計台半分隠す楠若葉 浅野照子

【118】座らんと木椅子に寄れば蜥蜴出づ 迫田斗未子

【123】寄席はねて暮れかぬる街へと出づる 日根美恵(添削句)

【130】ポケットに句帳を納め春惜しむ 古谷彰宏

【132】ひとつ立つ幽霊草を諾ひぬ 山本ヒロ子

【145】路地裏の教会青き草満てり 奥井葵子

【149】暮れかぬる新宿ゴールデン街区 松下ぐずみ

【151】風見鶏向き変はるかと待つ日永 内田あさ子

【153】白靴のあまた並びぬ座禅堂 河東三休三(添削句)

【167】振り上げし糸は葉の上浦島草 鳥居範子

【177】樹下涼し糺の森の古書の市 玉田ユリ子

【211】そこにのみ風吹くごとし芥子の花 村手圭子

【223】青畝句碑なぞり江口の春惜む 田島もり

皆さん、また今月末を目標に新しい句を投句して来て下さい。純一郎